動物病院で時間帯予約制は非常にうまくいきます。
動物病院の特徴の1つが、1診察あたりの時間が読みにくいという点です。受付順番制で、朝や夕方などに来院タイミングが集中し、長く時間のかかる症状だった場合は、待ち時間がかなり長くなってしまいます。一方で、時間帯予約制にして、来院タイミングを予め分散しておけば、万一長く時間のかかるペットが来院しても、次の診察をお待たせする可能性が低くなります。また、時間帯予約制は、9:00~9:30の予約のように時間に幅をもたせた予約制になります。この30分に2組まで予約のように設計することで、下記のようなメリットが得られます。
1. もともと幅のある予約なので、少しずれてもクレームになりにくい
患者さんは20~30分待ちも想定の範囲内。受付順番制で1~2時間待たされるよりはメリットがあると感じてもらえます。
2. 同じ時間の2組は、症状や獣医師の都合などで効率的に診察できる
受付順番制では準備すらできませんが、予約制であれば、何時にどの子がくるか事前にわかるので効率的な業務・人員配置が可能になります。受付順番制ではすべてが運任せでしたが、事前の予約があることで1日の業務の設計ができるようになります。
3. 予約なしでもOKな仕組み
時間帯予約制では、予約無しで来院された患者さんも「その場で直近の空いている時間帯に受け付ける(予約を取るのと同じ)」という運用になるため、予約のない患者さんも排除しない仕組みです。待ち時間を短くするためにはできるだけ予約を取っていただくのが良いですが、予約が無いから診られないということが起こりにくくする設計が可能です。
また、動物病院では下記のようなケースも多いため、受付順番制よりも時間帯予約制のほうがフィットします。
1. 受付専任のスタッフがいないことがある
一般の医療機関では規模によらず必ず受付スタッフの方がいますが、動物病院では受付専任のスタッフがおらず、診察等の補助をするために部屋を移動しながら業務にあたるケースがあります。受付順番制では、来院タイミングが重なると受付に集中する必要があるとともに、逆に診察室の業務に集中していると受付対応ができないケースもあります。時間帯予約制では、あらかじめ来院タイミングが分散しかつ決まった時間に来院されるので、受付業務をより効率的に行うことができるようになります。
2. 当日のみのネット順番待ちよりも、24時間時間帯予約がフィット
受付順番制でネット順番待ちの仕組みを導入した場合、ネット予約が取れるのは当日のみとなります。一方で、時間帯予約制ではいつでも、未来の予約を取れます。動物病院のネット予約は、家族が飼っているというケースも多く、年配の飼い主がネット予約を取れなくても、息子さんや娘さんがネット予約を代わりにとってくれるケースがあります。この場合、24時間ネット予約が取れる時間帯予約制であれば、いつでもその場で頼めばいいですが、受付順番制のネット予約では朝一番などに時間が限定されるため仕事をしている家族からは利便性が低くなってしまいます。家族で飼っているペットの予約だから家族が代わりにするという傾向が、動物病院の予約には見られます。
3. 予約のよるコントロール
(手術前預かり、お迎え、エキゾチックアニマル、トリミングなど)
動物病院では、一般の診療とは別に、手術前のお預かりや退院などの業務もありますので、予約制にすることでこれらのコントロールもしやすくなります。受付順番制では、診察開始前に時間をずらしてお預かりをするなどのケースもありますが、全体を予約制にすることで、必ずしも時間をずらす必要がなくなります。必要な場合はオーナー様の都合に合わせて、これらの業務を一般診療時間に予約することができるようになります。
また、エキゾチックアニマルや鳥類を担当できる獣医師の出勤日かどうか、予約が取れるかどうかというようなコントロールも時間帯予約制ではしやすくなります。診療全体を時間帯予約制という仕組みでコントロールすることで、患者さんの利便性や院内業務の効率化が可能になるのです。
以上のように、動物病院で時間帯予約制を運用することはたくさんのメリットがあります。最近ではかなり多くの動物病院で時間帯予約制の採用が始まっていますので、ぜひご検討ください。
参考サイト: 動物病院で診療予約システムを活用する方法
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